人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ゲーデルの不完全性定理」の概要

「スマリヤンのゲーデル・パズル」の序から、噛み砕いて書いてみます。

ある体系αの内部に、数学的な言明の文章aがあるとします。このaに対して、ゲーデル数nを定義します。これは、の文章を暗号化して数字にしたもの、とでも考えましょう。

さて、「nが、体系α内部では証明可能ではない」と主張する、真偽不明の文Sを構成します。つまり、nが証明可能でないときに、そのときのみに、Sは真となります。

ところで、このnは、Sそのもののゲーデル数らしいのです。わかりにくいですね。

aを暗号化したものが、nです。
Sを暗号化しても、nとなるらしいのです。

さてSの主張と、Sの真偽、aの証明可能性をまとめましょう。

(1)
Sが真であるとき。「aとSは証明可能ではない」つまり「Sは真であるが、証明できない」

(2)
Sが偽であるとき。「aとSは証明可能」つまり「Sは偽であり、証明できる」

(2)の結論「Sは偽であり、証明できる」は「Sが偽であることを証明できる」ではありません。偽の命題を証明できる、と言っているのです。例を挙げれば、「1+1=3 を証明できる」とでもなります。無茶です。

つまり、「「Sは真であるが、証明できない」というSが存在する」というのが、ゲーデルの不完全性定理だと、ぼくは理解しました。これから、「スマリヤンのゲーデル・パズル」を進めてゆきます。
by tomoarrow | 2015-06-26 07:00 | モチーフについて | Comments(0)