円周率について
ひと言で百万桁と書きましたが、これはコンピュータがあるから可能な数字で、手計算の時代には桁数を上げるのが大変でした。
池澤夏樹の「エデンを遠く離れて」(朝日学芸文庫)によると、16、7世紀のルドルフ・ヴァン・ケーレンさんは、一生を円周率計算に費やし、35桁まで進んだそうです。
また、19世紀のシャンクスさんは707桁まで計算したものの、死後に検算したら528桁以降が間違えていた。707桁とは「円周率1.000.000桁表」の1ページ目の上から8段までですよ。
ちょっと気の毒(笑い。
円周率は乱数の代表で、これを暗号解読機にかけたら、なにか文章を打ち出しますかね? そしてそれは、機械による創作といえるのでしょうか?
円周率には独特の魔力があるようで、
多くの人たちを計算競争に駆り立てましたね。
かのニュートンさえも、円周率の計算にはまったときは、
しばらくほかの仕事に手が付かなかったそうです。
あとになってから、ずいぶんばかげたことに
熱中したものだと、回想したそうだけど。
ルート2とかルート3も有名な無理数ですが、これらはπに比べると影が薄い(あくまでも非数学者から見ると、ですが)。
あと、この本は版の表記も円周率を意識しているちゃん。