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「東方見聞録」

マルコ・ポーロ
平凡社ライブラリー

マルコ・ポーロ(1254-1324)
ヴェニスの貿易商人の息子として生まれ、1270年、父らとともに東方へ旅立つ。以後、元朝に仕えた17年を含め、26年にわたりユーラシア大陸を旅行。帰国後、ジェノアとの交戦に従軍し捕虜となり、その間に「東方見聞録」を口述した。


いやはや数奇な人生です。
各地の産物や気候風土を延々と語る、わりあい退屈な出だしを我慢して読んでゆくと、第3章で俄然面白くなります。ここは元朝の内部事情について語っているところなんですが、まあ王さんってのはどこでも同じだな、と思う次第。

杭州への旅が圧巻。有りあまる富で栄えている地方で、まさにこの世の楽園が描き出されます。

各地の風習を語る際、まずそこの住民の宗教が説明されるんですが、キリスト教やイスラム教まで入っているのが面白いですね。モンゴル帝国はアジア、ユーラシアにまたがる大帝国で、それこそ西ヨーロッパとインド以外はモンゴルだったわけです。なに教徒がいても不思議じゃない。

仏教が偶像教徒と書かれているのも興味深い。キリスト教もイエスさんの磔刑像を拝むんじゃないの?

他にもアラビアンナイトと同じ話や、有名な山の老人(アサシン暗殺者)も載っていて興味は尽きません。後半、トルコ地方の過去の戦争について語るのですが、同じ描写が繰り返されたり、王の系譜だったり。幻想的で神話的な趣きを感じます。

子供の頃に学研世界の偉人マンガで読んだ「マルコ・ポーロ」伝は、「東方見聞録」に忠実だったのだなあ、と関心している次第です。
by tomoarrow | 2010-11-15 07:31 | 書物について | Comments(0)