「戦闘妖精・雪風」

神林長平
ハヤカワ文庫

僕はこのシリーズを読み直しているところで、現在、第二弾の「グッドラック」の途中です。

さて、この第一作は美しくも悲しい物語の連作です。第二弾以降、この特徴は薄くなります。

実験機開発に関わる「騎士の価値を問うな」「全系統異常なし」や、ジャムに乗っ取られた基地を探索する「インディアン・サマー」は、誰もが認める名編でしょう。「非人間的」な特殊戦と、人間味のあるキャラクタの対比が興味深い。

人間味あるキャラクタと言えば、滑走路の除雪作業員の天田少尉が気になります。対ジャム戦の真の意味が描かれた「フェアリー・冬」に登場しますが、この章は恐ろしい話です。僕は大好きですが、読むたびにぞっとします。

そして、最終章の「スーパーフェニックス」にいたり、読者はさらなる恐怖に襲われるですね。この戦いは一体なんなんだ? ジャムは何を考えているのだ? 雪風とは?

表紙絵は、昔の横山宏の手によるものの方が、この物語には似合っている気がします。長谷川正治の絵は、「グッドラック」以後の作品にはいいのですが、これには今ひとつどうかな。
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by tomoarrow | 2010-10-13 07:49 | 書物について | Comments(0)