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桃太郎

高田崇史氏の著作を多いに剽窃しています。ネタバレが嫌な方はこれから下を読まないように、お気をつけ下さい。またキンシャチがてきとーに改変もしているので、これを読んで高田崇史氏の説だと思わないで下さい。



「鬼が社会的マイノリティで、そもそも人間扱いされていない人たちへの蔑称、ってことは了解してるね」
「ん?」
「鬼、蜘蛛、河童、こういうのはみんな、中央政府から見た被差別民のことなんですよ。節分の豆まきを考えてみよう。冬の寒空にパンツ一丁の鬼が、たかが豆をぶつけられて逃げ出すんだよ。ぜんぜん強くない。鬼は弱者の象徴です」

「蜘蛛は?」
「夜蜘蛛は殺せ、って聞いた事ない? これは、夜に蜘蛛(=被差別民)を見つけたら、隠れて謀反の相談をしているものと見なして殺すぞ、そう云う意味。また、河童は金気を嫌うと言うけど、これは逆説的な表現で、「お前らは金属が嫌いだったよな、いらないよな」と、中央政府が河童(=被差別民)のタタラ場なんかを取り上げたってこと」

「桃太郎も出自からして怪しいね。まあ、英雄譚にはよくある事だけど。生まれからして常人と違う。これもマイノリティ差別の裏返しだね」
「桃ってのは不老不死のシンボルだから。でも同時に、不毛なるものの象徴でもあった、気がする」
「自信なさそう」
「ありません」

「大胆かつ無責任に言い切るけど、桃太郎は老夫妻にさらわれてきたんだよ」
「川を流れてきたってのは不自然だもんねー。きっと、河原に住む漂白民たちの子だね」
「桃太郎は鬼や河童の一族なんだ」

「桃太郎は鎧と刀をもって出かけた。と云うことは、老夫妻は武器を所有していたことになる」
「むしろ鬼の方が、少年と犬雉猿程度の集団にやっつけられてしまうって、情けないね」

「鬼は被差別民で、マイノリティなんだ。浮浪者狩りだよ、これも」
「ヘンゼルと同じじゃ読者が納得しないよ」
「うん。僕は、老夫妻こそが強奪団だと思う」
「ああ、武具を所有してるし、子供をさらうし。お供のイヌ、キジ、サルは配下の若者かもね」
「鬼は村を襲って財産を強奪していた、って言うけど、その事実はないでしょう」

「で、なんでわざわざ鬼を狩らないといけなかったの??」
「老夫妻は村人に疑われていたんだろう。鬼の襲撃に耐えて極貧生活をおくっている村なのに、老人が子供を育てる余裕があるはずがない。本当はね」
「あ、だから、鬼と云う仮想敵を作って・・」

「そう。あいつらが悪いんだって、村人の目をよそに向けると同時に、マネーロンダリングもできる」
「鬼から奪い返したとなれば、むしろ大手をふって自分のものにできるもんね」
「自分たちで行かなかったのも賢いよ。万が一に失敗しても、傷つくのは桃太郎だ。お供の若いのは、監視役だったのかもしれない」