人気ブログランキング |

「・・・絶句」

新井素子
早川書房

===内容に触れています===

宇宙船に轢かれて、超常能力が身に付いてしまった新井素子。小説のキャラクタが現実世界に流出し、自らの望む事は全て実現する。事故を起こした異星人は新井素子を抹消して事故を隠蔽しようとするし、気がついた監視員異星人も事故を適切に処理しようと活動を始める。

ささいな事故から始まったドタバタ騒動は動物革命を引き起こし、果ては人類そのものの起源探しにまで発展する。軽い文体で綴られるけれども、読後の満足感は充分である。

あとがきもこの本の読みどころである。「第13あかねマンション」の謎も明かされるし、「・・・絶句」キャラクタとその後の新井素子ワールドのかかわりが詳述されている。いくつもの小説のプロットが記されているけれど、ほとんどが書かれないままになっているのが残念。

80年代の本なのだけど、今とは違って、人々の生活に余裕があるなあと感じる。同じ日本ではあるけれどもパラレルワールドのようだ。21世紀になって80年代より貧しくなるなんて考えもしなかったよ。バラ色の未来をかえせ。

by tomoarrow | 2010-07-04 07:16 | 書物について | Comments(0)