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「竜の柩」

高橋克彦
NONノベル

竜とは何か? なぜ西洋では悪魔、 東洋では聖なる存在なのか?


==内容に触れています==

主人公の九鬼虹人(くきこうじん)が、世界の神話伝承を通して、竜の正体を探ってゆきます。超古代史マニア垂涎の「東日流外三郡誌」*「竹内文書」をはじめとする偽書や、東北のピラミッド、ノアの方舟、古代核戦争など、ガジェット満載です。

現実の資料をもとに、竜と神の正体を解き明かしてゆく知的冒険小説とも言えますが、竜仮説の証拠として採用されているもののいくつかは、明らかに間違っています。惜しいですねー、高橋さん**。人を騙すのなら細部を煮詰めなきゃ。

大きな嘘だけでは人は騙せません。

本書の竜仮説は誤りです。ですが無理にでもそれを忘れて、素直にへーっと読むか、あほSFとして読むことをお勧めします。僕は偽史好きなので、昔は何度も読み返しました。

「新・竜の柩」「霊(たま)の柩」と、巻を続けるにつれて想像が広がりすぎて、現実との接点を失ってしまうのが残念。



*いまさら「東日流外三郡誌」を本気で信じている人がいるとも思えないけど。和田喜八郎のでっち上げで決着付いてますよね。

**じつは高橋克彦氏はこの小説の仮説を信じているらしいのです。人を騙すのではなく自分を騙していた!? 彼はやっぱりトンデモさんだ。

by tomoarrow | 2010-07-02 06:17 | 書物について | Comments(0)