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右脳左脳

昨日のエントリで紹介した安部公房の「死に急ぐ鯨たち」に、日本人とポリネシア人は、母音に近いほとんどの音を、全部左の言語脳で受けてしまう、という話題があります。

つまり日本語とポリネシア語は言語の中に母音が多く、それを左脳で受けるのですが、自然界には母音に近い音が多いので、自然の音を「意味のある声」として聞き取ってしまうとのことです。犬の声、虫の声、ねこの声といった具合。

逆に、世界のほとんどの人は自然の音を音として聞き取るので、たとえば赤ちゃんの泣き声も単なる音響として受け取るとあります。あまりにも分かりやすすぎて、ほんとかな? とも思ってしまうのですが、実は僕の身近に、人の声を音として聞く人がいます。

このひとDさん(同僚なのでDさん)は、自身がデスクワークをしているときに、目の前でかわされる会話をまったく聞いていなかったりするのです。そばにいるものだから、ふと「今の話、どう思う?」なんて聞いてみても、「え、え、なになに??」となるのです。

Dさんの言い分はこうです。
「外のノイズと同じで、自分に対する会話ではないから声として聞いていない。何か音がするな、くらいで意味を取ろうとする意識がまったく働かない」

僕はDさんとは逆に、わりあい人の話を聞いているたちです。まあたしかに、何かに集中しているときには話しかけられても生返事で、実は全然聞いていなかったりもするのですが。あれ、ということは、Dさんは仕事に集中しているので他のことに意識が向かないだけなのかな??



でもDさんには「目の前の人の話くらい、すこしは聞いてなさい」と言いたくもなります(僕も時々、めんどくさい話は聞いていないフリをするのでアレなのですが)。
by tomoarrow | 2010-06-17 06:44 | モチーフについて | Comments(0)