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「ロズウェルなんか知らない」

篠田節子の「ロズウェルなんか知らない」(講談社文庫)。これはぜひともおすすめしたい大傑作です。

ひとことで言っちゃうと、村のいきいき青年クラブ(青年団)が、UFOで村おこしをして、故郷を救おうと奮闘する小説です。悲愴的にならずにコミカル過ぎもせずに、ストーンサークルとか教祖さまとかカルト人気のミュージシャンとか、通好みでインチキくさいモチーフを巻き散らかします。

頭の固い地元老人は「UFOなんかで人を呼べるか(そんな恥ずかしいこと出来るか)、ばかばかしい」、とまったく協力しないし、役場も責任のたらい回しにしか関心がありません。んなこと言ったって、2030年には人口ゼロになっちゃうんだよ。老人はもっと先に淘汰されるだろうからいいかもしれないけど、若い(といっても中年ばかりだけど)人たちには死活問題です。

四面楚歌、背水の陣、絶体絶命の大ピンチ。大丈夫か青年団??

SFとは言えないし、もちろん幻想小説でもありません。あえて言えば「暗黒太陽の浮気娘」シャーリン・マクラム(ハヤカワミステリアスプレス文庫)と同じくSF周辺小説でしょうが、そんな区分は無意味です。笑ってあきれてほろりとする、感情総動員娯楽大作です。底意地の悪いひねくれ者には特にお勧めします。

ラジオドラマにもなっていて、こっちも面白いです。
http://nicosound.anyap.info/sound/nm7086994
by tomoarrow | 2010-06-07 07:13 | 書物について | Comments(0)