「惑星P-13の秘密」
二台の壊れたロボットのための
愛と哀しみに満ちた世界文学
高橋源一郎(角川文庫)の著書。
架空の本の断片集。これらは、ロボットに読ませるために適当に収集されたものの、風呂のたき付けにも使われるので断片しか残っていないのである。
紹介される本は多岐にわたる。
則巻千兵衛の未発表発明品目録。
マルコポーロの東方見聞録偽書断片。
世界の雑誌カタログ。
失われた高貴な職業百科。
野球博物館新着図書リスト
古代ギリシャ哲学者断片集
etc
いかにもありそうなものもあれば、どう考えてもガセだろうと云う本もある。だが、単品では本物っぽいタイトルも、嘘っぽい本に囲まれると偽物みたいに見えてくるから面白い。
タイトルだけではなく、内容も百花繚乱。ここにはSF、ミステリ、カタログ、ナンセンス、ポルノ、幻想文学、哲学、鬼畜文学、などなどあらゆるジャンルの断片がある。しかも、どいつもこいつも嘘くさい。巽孝之は偽物そっくりの偽物と評していた。
正直に言って、かなりけったくその悪い描写もあり、良識ある方には勧められない。寄書ではある。