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山本弘
河出書房新社

初のエッセイ集
僕はいかにしてSF作家・と学会会長になったか?


表題は、ドラえもんの作品「バイバイン」で、増殖したくりまんじゅうが宇宙に投棄された結果、宇宙がくりまんじゅうで埋め尽くされるのかどうか、を考察した、愉快なエッセイです。

他のエッセイのテーマは、自分の半生、トンデモ、SF、特撮、ロリコン、オカルト番組の嘘、等々。山本弘のエッセンスがまとめて読めて、実に面白い。

また本書には、過去の作品に載せられたあとがきや解説も収録されています。


僕はJ・P・ホーガンの「断絶への航海」(ハヤカワ文庫)の解説を読んで、小説も読みたくなり買ってきました。(まだ読んでいませんorz)
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神林長平
早川文庫

時空の全事象を制御するクォードラムは、現実をうまく創れない人間が増えたことで過負荷状態に陥ってしまったというのだ。

都市制御体と聞くと「プリズム」みたいなものを連想しますが、本書はジュブナイルです。神林が得意とする現実崩壊感覚を、おもしろおかしく書いていて好感が持てます。

アクションも風景描写も、他人ごとのような余裕のある会話も、妙に浮世離れしていてそこも面白い。

これがもうすこしシリアスになると「完璧な涙」になるのでしょうねー。あるいは「完璧な涙」の空白の300年が、「過負荷都市」なのかもしれません。

表面を読めばおちゃらけているし、奥を探ろうと思うとそれはそれで面白いし、読者をからめとる神林空間で遊ぶには、最適な本です。

神林作品になじみのない方でも楽しく読めるのではないかな。
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神林長平
早川文庫

クルマは好きですか?
この本のタイトルは、まさにクルマのことです。
自分の理想のクルマを設計する老人。遠未来、その設計図を元にクルマを制作する翼人。彼らは共に、魂を震わせるガジェットとしてのクルマに情熱を傾けるのです。

いや、この表現は雑かな。彼らにとって、クルマは単なるガジェットではなく、魂を揺さぶるなにかです。

この本はクルマを核にした思弁小説です。意識とはなにか、魂とは、クルマとは。一冊まるまるそんな議論を書いてしまう、じつに過激な小説なのです。また、表紙にねこが描かれているように、編中にもちゃんとねこが登場します。

僕が思うに、このねこはクルマと同様、自由の象徴ですね。

軽いようでいて何かを考えさせる、じつに興味深い本です。

おまけ。僕の魂を震わせるボーカロイド動画。
ドライブ!Drive Me Flat



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佐々木朗
音楽之友社

バイオリン製作技術者、佐々木朗氏のウエブサイトに掲載されている文章をまとめたものですが、本のかたちになると読みやすさが違いますね。さて肝心なのは内容です。

バイオリンと言うと神秘的な印象がつきまといますが、この本ではそれをばっさりと切って捨てます。

http://www.sasakivn.com/werkstatt/qa/strad.htm
ストラディヴァリとは魔法の楽器でも何でもありません。「単なる素晴らしい楽器」なのです。この言葉は何もストラディヴァリのことを見下していっているのではありません。私の最大級の賛辞と思ってください。

一般的にストラディヴァリを表現する言葉として「神秘的」、「科学では説明できない」、「これ以上の物の無い」・・・・等々の言葉が使われます。しかし私はこれほど安っぽい表現は無いと思っています。それではストラディヴァリに対して失礼にあたるでしょう。

というのは、もしもストラディヴァリが現代に生きているとしたら、彼は「神秘的」と言われても嬉しくもなんともおもわないと思うのです。「とても素晴らしい技術・・」という言葉こそが、何もストラディヴァリだけに限らず、我々技術者にとっての最大の誉め言葉なのです。

(略)

「音さえ良ければそれでよい」と考えられていたヴァイオリン製作において、徹底的に手抜きしないで「精度の高い楽器」を作り続けたのがストラディヴァリだったのです。事実、彼の楽器は当時から素晴らしい楽器として評価されていたのです。

現在博物館などにおいて、ストラディヴァリと同時代の3流のヴァイオリンをたまに見ることができますが、その作りの酷さには驚いてしまいます。


けだし至言です。技術者は客観的に物事を見れないと務まらないのです。佐々木さんが技術者、制作者であるから言える言葉でしょう。僕もピアノ調律の仕事をしている技術者ですが、技術を褒められるのが一番嬉しい。

この本では、楽器本体は言うに及ばず、弓の性能や、肩当てやあご当てに付いても、丁寧に説明してくれます。また、いわゆる楽器の価値や、オールド楽器と新作楽器の違いなど、曖昧に済ませがちな部分にも触れています。

弦楽器について、感情的にならずにオカルトに逃げずに、愛情を持って接する素晴らしい本です。楽器をたしなむ方もそうでない方も、ぜひ読んで欲しいな。
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光文社文庫
異形コレクション

闇を愛するみなさま。
異形コレクションを蒐集なさっている方は、いらっしゃいますでしょうか。

異形コレクション(以下「異形」と略す)は玉石混淆で、面白い短編もございますし、何が書いてあるのか分からないものや、長いだけでつまらない作品も結構載っております。

異形は分厚いので、頭から読んでいくと途中で嫌になります。でも、好きな作家を先に読むと知らない人のは読まずに終わるのでございます。

「異形コレクション 読本」によれば、順番も考え抜いて配置してある、とのことなので、頭から読んでいくのが正しのでございましょう。

とにかく厚いのでございます。


さて。この「蒐集家」は、玉だけが詰まったまさに蒐集品でございます。厚くても大丈夫、僕は最後まで楽しく読んだのでございます。

作中で蒐集されるものは、箱、本、怪異、海、蠟燭、記憶、人形、など多岐にわたっております(全て目次より引用しておりますので、タネがばれると言うには当たらないかと)。2004年の本ですが、たぶん古書が今でも買えるのではないでしょうか。

ホラー、幻想怪奇小説を好む方には、自信を持ってお勧めできるのでございます。貴方の蒐集品にいかがでございましょうか。
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と言うわけで、さっそく読みました、「・・絶句」。
いやあ懐かしい。

新刊なので、以下反転。

詳しく読み比べたわけではないのですが、「お宅」の言葉がほとんど削除されていました。あと、国鉄がJRに直されていた。でも、素ちゃんの生年や時代設定は同じなので、「JRは1987年からダゾ」とツッコミが入るかも(笑い。

何度読んでも信拓はいいな。この人、ずっと"しんたく"と読んでいたけど、"のぶひろ"なんだね。高畑君(エスパー魔美)みたいに、頭のいい人が好きなのな>自分。

書き下ろし短編のひとつは信拓と拓のはなし。「・・絶句」本編とエピローグの中間に位置する作品で、おちゃらけた二人の会話が楽しい。

「・・絶句」はこういうスピンオフがたくさん書けそうな気がするんだよなあ。あとがきが差し変わっているのは、本人が書いている「・・絶句」のその後の作品構想がほとんど(全部?? (笑い))実現しなかったからか?!

今からでも遅くはない。短編でもいいから、信拓の話をもっと書いてくれ。


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トミー

いやあなつかしい。先日ツイッターで、 @VodkaDriva さんとゾイド談義をしたので、こちらでも書いてみたくなりました。

ゾイドは、宇宙生物です。初期の設定では身体が機械状に進化した生物、だったと記憶していますが、途中から「金属イオンの濃度の高い惑星で進化したので、金属細胞を持つ生命になった」と変更されました。

最初期にはゾイド星人の設定もゾイド星での国家間紛争もなく、ゾイドは地球人が改造して惑星の探査に使用しているくらいでした。

武装も少なく、あくまでも護身用程度のものが付いているだけで、ギミックの面白さを前面に出した商品展開でしたねー。むき出しの骨格に外装がすこし付いただけのデザインで、僕はこのコンセプトが好きです。美しい。

ゾイド星に共和国と帝国の設定が付加されてからだいぶデザインは変わりました。共和国側はメカニカルだけど骨格ではなく戦車っぽく帝国は生き物っぽいデザインのゾイドが多かった。「共和国」は近代的で「帝国」はオカルチック、と云うのが面白い。僕もそんな印象がありますが、あるいはゾイドからの刷り込みかも知れません。

武装も増えましたよ。でっかい砲を背負ったカノントータスや異常にでかいゴジュラス、さらに大きいウルトラサウルス。こいつは小型飛行機の発着場まで付いている。

さらに時代は下ってマッドサンダーデバイソンまでくると正直興ざめですね。商品展開としては大型獣を投入したがる気持ちも分かるのですが、大型戦艦に頼らざるを得なかった帝国艦隊を連想するのは不謹慎かな(笑い。

僕としては最初期の設定とデザインが好きです。SFしてるんですよねー。
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とりのもも肉か胸肉に塩をふり、もも肉は巻いて、胸肉はそのままタコ糸で縛ります。

醤油とお酒、みりん、唐辛子をなべに入れます。分量はお肉がつかるくらい(まだお肉は入れない)。水量が足りないようなら水を加えて、ひと煮立ちさせます。

煮立ったら火を止めて、お肉をいれて冷めるのを待ちます。適当に冷めたらそのままもう一度火をつけ、沸騰させます。沸騰させずに適当なところで火を止めても結構です。

そうしたら今度はそのまま一晩おきます。翌朝お肉を取り出し、タッパーにいれて冷蔵庫で冷やします。充分に冷えたらタコ糸を取り外し、薄く切って出来上がり。

簡単で美味しいぞー。分量は良い加減(よいかげん)で大丈夫です。
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僕はニトリで買った、4人がけの食卓用テーブルをパソコンデスクに使っています。奥行きが広く、ぐらつかないのでじつに快適です。

世間でパソコンデスクとして売られているものは、天板が狭くキーボードが引き出しに入れられていて使いにくそう。頭の上にプリンタスペースがあるのも邪魔くさい。

食卓なら、マックプロ本体とモニタ、キーボードとタブレットをへっちゃらで置けます。キーボードを奥にやればノートパソコンも置ける。広くていいのです。

絵を描く方なら、スケッチブックも広げれます。いわゆるパソコンデスクではこうは行かない。

ニトリの食卓は安いので、作業机にはぴったりです。汚しても傷つけても気になりません。宣伝みたいで恐縮ですが、机を考えている方は一度見に行ったらいいと思うよ。

*2年前の写真。今はもっとものが増えている。
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ダン・シモンズ
早川書房

ようやくシリーズ紹介も終わり。なぜこの順番で紹介したのか、「エンデュミオンの覚醒」でも書いたが、再読時には先にエンデュミオンシリーズから読んだ方が、作者の意図が分かりやすいと僕は思うからである。

もちろん、初読時にはきちんと順番に読むほうがいいだろうけど(笑い。

さて本編では、「ハイペリオン」で書かれた数々の話がつながってゆく。戦士と学者と探偵のつながりは見事としか言いようがない。一見ものすごそうで、でも単なる幻想譚にみえる神父の話は、最後の最後まで尾を引く。ここら辺の構成も素晴らしい。

前作と同じく、この本もSF名場面集である。ただ前作では個人視点だったのが、今回はもっと俯瞰して語られるのでだいぶ印象が違う。続けて読むことで魅力は倍増する。

ああまた読みたくなってきた。こう云う記事を書いていると、読みたい本が増えて困る。
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