ディオファントス方程式の定理の証明
ディオファントス方程式の係数A、Bが互いに素であれば、
Ax0+By0=C
となる整数x0、y0が存在し、方程式の解はすべて下の形になる
x=x0+Bk
y=y0-Ak
(kは整数)
この証明で肝心なのは、冒頭の「ディオファントス方程式の係数A、Bが互いに素であれば、解が存在する」の部分でしょう。それ以下は自明です。
これを線形代数の言葉で書き直すと、AとBが基底になる、という意味です。
複素数の虚部から、iを取り除いたものを考える。
座標(2,3)を、(2+i3)ではなく(2+3)とみなす。すると、(2,3)=(3,2)になる。
そして、x軸上とy軸上に、互いに素となる長さ、の基底(αとβ)をとる。
すると、abを整数として、
aα+bβ
は格子点を表し、ある整数に一致する。
問題は、aとbが全整数を動くときに、aα+bβが全整数を表現できるか?
aα+bβ=c
とする。
この式を、
x+y=c
と書き直すと、座標平面上の直線になる。この直線上の格子点は、すべて同じ整数を表現する。
基底αとβが、互いに素でないとすると、
β=kα
と書ける。すると
aα+bβ=aα+kαβ=α(a+kβ)
となり、αの倍数しか作れない。
これで、αとβが互いに素でないときに、aα+bβが全整数を作れないことが分かる。
いろいろと書いたけど、
aα+bβ=1
となることを示せれば、あとは
c(aα+bβ)=caα+cbβ=c
となるところまで、わかった。
aα+bβ=1
はどうやって示す??
数学的帰納法で、はじめのドミノが倒せない状態だ。