極限 3
前回はN < n⇒|A-a(n)| < εの意味が「Nがnより大きいなら、a(n)はAのε近傍にある」まで来ました。いよいよ、全体です。
∀ε > 0 [ ∃N [ ∀n[N < n⇒|A-a(n)| < ε]]]
どんな正の数εに対しても、
εごとに、ある自然数Nを適切に選べば、
どんな自然数nに対しても、
《Nよりnが大きいならば、a(n)はAのε近傍にある》
という命題を成り立たせることができる。
εは、0より大きければいいので、ものすごく小さくできます。N < nならば、a(n)はAのε近傍にいないといけません。では、そのNとはなにか? ここからが面白い!
Nは、「nをどれだけ大きくすれば、a(n)がAの近傍に入るか? 」を表す数だと言うのです。N以下のnは、無視する。nがNより大きいという条件を満たすなら、a(n)はすべて、Aのε近傍に入ります。
あるいは、まず小さい小さいεを考え、そこに入る数列を考えてみましょう。頭からNまでは切り捨てれば、残りすべての項はε近傍に入るのです。そうやって、εからNを考えてもいいのです。
はあ、長かった。極限というのも、面白いですね。