大数仮説 1
基本命題は、「巨大宇宙と原子世界に現れる無次元の数には、単純な数学関係があるはずだ」だそうです。??
まず注目するのは、可視宇宙の粒子数(N)と、宇宙年齢(t)の二乗です。どちらも10^78という、とてつもない数です。このふたつを、等号で結びます。
N=t^2
もしこの式が正しいのであれば、時間が経つにつれて粒子が無から生成されることになる!
さらに、エディントンの原子単位系を見ると、クーロン力と重力の力は、宇宙の年齢に等しくなるそうです。
クーロン力/重力=宇宙年齢=10^39
これを変形します。クーロンの法則によれば、クーロン力の強さは電荷eの二乗に比例し、距離の二乗に反比例します。
Fクーロン=e^2/r^2
一方、重力はニュートンの万有引力の法則から、陽子の質量(m陽子)と電子の質量(m電子)と、万有引力定数(G)の積を、距離の二乗で割ったものになります。
F重力=(G*m陽子*m電子)/r^2
このふたつから最初の式を変形すると、
e^2=/(G*m陽子*m電子)=t
となります。これをGの式に書き直すと
G=e^2/(G*m陽子*m電子*t)
つまり重力定数Gは、分母にある宇宙の年齢tが増えるほど、減少することになるのです。
続きます。
(この稿は「宇宙論が楽しくなる本」(別冊宝島)収録の、鹿野司さんのエッセイをもとにしています。ほぼダイジェスト)