「闇の中の系譜」
ハルキ文庫、ほか
嘘つきの話です。それも、嘘で自分の人生を塗り固めた、筋金入りの嘘つき。
嘘つきは自分の嘘を糊塗するために、嘘をつき続けないといけません。この主人公は、それを息をするようにやってのけるのです。
そう思うと、嘘って面白いですよね。
誰だって、自分が不利になるような嘘をつくはずはないわけで、でも時が経ち、状況が変わるほど嘘に縛られ、それを全うしようとすると不利益も被らざるを得なくなる。
ゲーム理論風に考えると、嘘をつくのはダメ、となります(笑い。この本は、そんな嘘をつき通す、イバラの道を進む男の話です。
面白いですよ。