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「闇の中の系譜」

半村良
ハルキ文庫、ほか

嘘つきの話です。それも、嘘で自分の人生を塗り固めた、筋金入りの嘘つき。

嘘つきは自分の嘘を糊塗するために、嘘をつき続けないといけません。この主人公は、それを息をするようにやってのけるのです。

そう思うと、嘘って面白いですよね。

誰だって、自分が不利になるような嘘をつくはずはないわけで、でも時が経ち、状況が変わるほど嘘に縛られ、それを全うしようとすると不利益も被らざるを得なくなる。

ゲーム理論風に考えると、嘘をつくのはダメ、となります(笑い。この本は、そんな嘘をつき通す、イバラの道を進む男の話です。

面白いですよ。
by tomoarrow | 2011-07-13 07:09 | 書物について | Comments(0)