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「人間そっくり」

安部公房
新潮文庫

といっても、ジャムでもレプリカントでもありません。安部公房が書いた小説です。新潮文庫刊。

SF作家のところに、火星人が訪ねて来るんです。見た目は人間。言葉も日本語。でも言うことが少しずれている。

ずれているなりに理にかなったことを言うんですよ。むしろ、常識人であるはずのSF作家の方が、その場しのぎの適当なことを言って墓穴を掘る。

SF作家の立場に立つと、何とも気の毒になりますが、火星人から見るとどんどん壊れてゆく作家さんが実に楽しい。

薄い本なので、一気に読めます。もう、何が本当なのかさっぱり分からない。
by tomoarrow | 2011-04-08 07:27 | 書物について | Comments(0)