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カワイのプラスチックアクション

カワイのアップライトピアノ、一部のグランドピアノのアクション(鍵盤からハンマーまでの、ピアノの可動部分)はプラスチック部品が多用されています。

僕にはプラアクションが良いのか悪いのか分かりません。ただなんとなく、木製の方がいいのかなとは思います。プラスチックの良いところはもちろんあります。温湿度の影響を受けにくいとか、経年劣化に強い(だろう)とか。

さて僕以外の調律師がどう思っているのか分かりませんが、保守的原理的な方は「ピアノは木だ」と言うでしょうし、「プラの方がいい」と強気の人もいるでしょう。ただおそらく、木とプラがちがうだろうことは、ほとんどの調律師が感じていると思います。

木とは違うものだと意識することによって、調律調整修理の時に、無意識的に差が出てしまうのではないでしょうか。木かプラかの違いよりも、長年にわたり異なる扱いを受けることの方が、より大きな影響を及ぼすように思います。

プラアクションはある種のこっくりさんです。多くの調律師が木と違う扱いをした結果、木とは異なる状態になり、それがプラだと思い込み、ますます木と異なる扱いをしてしまう。

あまりいいことではありませんよね。

(この項続く。不定期掲載)

おまけ。3Dで製作中のピアノアクション。随時、進行具合をアップします。
カワイのプラスチックアクション_d0164691_956621.jpg

by tomoarrow | 2010-12-01 07:45 | オブジェクトについて | Comments(0)