「検死審問」

パーシヴァル・ワイルド
創元推理文庫

乱歩が称えた傑作長編
女流作家邸の怪死事件をめぐる
軽妙な会話と鮮やかな謎解き


全編が検死審問記録で構成されている、ユニークなミステリです。作家の自宅パーティで殺人事件が起き、その検死審問の記録がこの本なのですね。

検死官はやる気がないし、証言者も個性がありすぎて、証言をどこまで信じていいのか分からないし、まあ大変なミステリです。解説にもありますが、これは構成の妙を楽しむ本でもあります。

ミステリは書き方が重要です。時には、大したトリックでもないのに書き方が上手くて傑作と呼ばれることもあります。この本は、トリックも見事で文句の付けようがありません。大好きです。

長々と事件と無関係のことを話す人物もいれば、重要人物そうなのに、たいした事を話す間を与えられない人もいて、ここらへんも面白い。

検死審問は一種の陪審員で、一般市民も参加するのですが、彼らの言動もまた面白い。しかし世界にはいろんな制度があるものです。「推定無罪」には検察官の選挙も書かれていたし。

一風変わったリーガルミステリを読みたい方には、ぜひおすすめ。
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by tomoarrow | 2010-11-13 07:54 | 書物について | Comments(0)