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「陽気なギャングが地球を回す」

伊坂幸太郎
祥伝社文庫

奇妙な特技を持った4人組がギャング稼業に精を出します。
脇役で出てくる、発明狂の田中とか、響野の奥さん祥子さんはいいなあ。

全編に気の利きすぎた会話があふれていて、ちょっとうるさくも感じますが慣れてくると心地いい。響野の嘘八百口先八丁が本当に面白い。

各章の冒頭の、辞書風のへんてこな警句(?)もしゃれている。

ギャングして奪った金を、横取りされちゃうんですよ。そいつらにやり返すんですが、じつに痛快至極。映画的手法で描かれたピカレスクコメディ。

映画では割愛されていたキャラクタも登場するし、ストーリーはもっと入り組んでいます。ふたつを比べると、伊坂幸太郎の小説の上手さと、前田哲監督の構成の上手さを感じます。それぞれいいんだな。

はじめから終わりまで、伏線だらけです。意外なことまでもちろん伏線なので、お見逃しなきよう。
by tomoarrow | 2010-10-18 07:59 | 書物について | Comments(0)